スカイカーシェア案件停止!詐欺? 実体は? 利益は出てる?
2021/01/15
先日、私の投資仲間からエクシアを1口解約したという話を聞きました。
順調に増えているのにどうしたことかと事情を聞いたところ、詐欺に遭って資金が回らなくなったとのこと。
よくよく聞いてみると【スカイカーシェア】という案件に手を出して、
会社が支払いをしなくなって毎月のカーローンの返済がキツくなってしまったらしい・・・
どうやら会社は事業停止、実質倒産している可能性がある様です。
「あーあの案件か・・・やっぱり飛んだか」
私の予想通りになってしまいました。
私が初めてスカイカーシェアを知ったのは2018年10月の事でした。
当時私は投資詐欺に遭った経験から絶対騙されない為に自分の中で
【詐欺に遭わない為の7項目】を確立していました。
知り合いから紹介を受け、
「手出し無しでお小遣い稼ぎも出来て、高級車にも格安で乗る事が出来る」
というコンセプトに惹かれて話を聞いてみることにしました。

Mさんという営業マンの方とお会いしてお話をお聞きしましたが、
私のマシンガン質問に回答出来ない部分が多く、後日、上司の方に会う事になりました。
では私の個人的観点から解説していきます。
案件の解説 目次
○スカイカーシェアの仕組み
会社が中古車の販売を行います。
出資したい人は自分名義でカーローンを組みます。
ベンツやBMW、ポルシェ等の高級車の中古になります。
属性によって400万〜1,000万のローンを基本7年で組みます。

当然保険も含めた支払いは発生しますが、それを会社が毎月振り込んでくれて補填してくれるので手出しはありません。
会社は買ってもらった高級車をオーナーから借り上げ、格安レンタカー事業で収益をあげて、利益から補填分を支払ってくれるというわけです。

更に毎月1万円のお小遣いが貰えたり、売上の5%が貰えたり、自分の購入した車は通常の格安レンタルよりも更に割引して乗れる、減価償却で節税にもなるという良いことづくめです。

手出し無しで、副収入も得られて、高級車に格安で乗れる、しかもそれは自分名義の車なので「わ」ナンバーでもない・・・
見栄を張りたい人にはもってこいの案件でしたw
ターゲットとしてはローンが組み易い年収400〜500万のサラリーマンです。

年収が高過ぎると手は出して来ないですし、お小遣いも欲しい、高級車にも憧れがあるという、その層の欲望を逆手にとった手法です。人の心理をよく分かってらっしゃるなぁ。
スカイカーシェアの① 立地 ②規模感
HPには株式会社SERIAS(資本金500万)とあります。
東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60 45階
のオフィスに上司の方に会う為に行きました。
うーん、サンシャインのタワーオフィスは初めての訪問だったのですが、駅から遠いし便利な場所でも無いなーと思いつつも事務所に通されました。
シェアオフィスの一つだった記憶です。
現在、ホームページを見ると
東京都豊島区南池袋1-25-9 今井池袋ビル10階
とあり、更に南池袋2丁目に本社を移転とも書かれています(南池袋2丁目の詳細の住所表記が無いのは怪しい)。
名刺の住所とも違いますし、ころころ移転しているのは謎です。
2020年4月に資本金を3,000万に増資している事から、規模感が大きくなってきたのに合わせて事務所も大きくしていったという事でしょうか。
当時、社員は20人くらいで、本業は不動産事業、社長は金融業界出身ということでした。
当時で120台程の契約があり、目標は2年間で360台と台数制限を設けていました(これが何故だったかは忘れました💦)
当時は一都三県、これから拡大していくとのことでした。
車の置き場所は池袋中心でしたが、埼玉県の川口に移転予定とのことでした。
都内は駐車場代がばかになりませんからね。
レンタルするのに川口からわざわざ持ってくるの大変じゃないのか、という疑問当時は突っ込まなかったですw
総合的には正直規模感としては小さい事務所でいつでも夜逃げ出来るレベルでした。
③スカイカーシェアの 再現性
私が話を聞いたのは2018年10月、会社設立が2018年4月・・・始まったばかりの会社でした。
この時点で私の興味はかなり失せていたのを覚えていますが、このスキームを深掘りしたかったので本社まで足を運んだというのはあります。
2年6ヶ月で支払いがストップしたところを考えると、やはり私の掲げる、再現性では最低3年、出来れば5年必要というのを守っていれば投資対象からは外れているはずです。
とにかく当時は始まったばかりで何を信用しろというレベルで、再現性は低いと言えました。
④ スカイカーシェアのパフォーマンス
月1万のパフォーマンスで、年間12万の固定収入がまずあります。
売上の5%は不確定の収益です。
目標としては5,000〜10,000円と話されていたので10万〜15万くらいの売上が上がればいいらしいです。
自分が出資をして、知り合い5人以上紹介すると売上の10%を貰えるという紹介制度も用いていました。

オーナーにならなくても紹介すれば10万円が貰えるという仕組みで、MLMではなかったのでそこはまぁ良しとしましょう。
年間30万くらいのパフォーマンスがあがれば万々歳といったところでしょうか。
うーん、物足りないw
節税と言っても年収400〜500万のサラリーマンの節税なんてたかが知れています。
3万円出せば、お抱えの公認会計士(名前は不明)に依頼出来るので確定申告で所得0円にします、
という発言もありましたが、自営業の人向けでしょうね。
修理にお金もかかりますが、自社で修理工場を持っているのでそれも安く出来ます!
ってことでした。
⑤スカイカーシェアの 流動性
これに関しては2年間の契約を巻いてもらうとのことで、2年の間は勝手に車を売却等出来ない状態です。
流動性悪いですね〜でも会社が毎月の保険料とローンを支払ってくれる訳ですからそりゃ納得するしかないでしょう。
会社としては、2年間は減価償却をかけながら、出資者に払い出す程度の売上をあげればいいのでそこまで負担は無いと。
月に1台12万円のランニングコストがかかるが、半月くらいレンタカーで回せばペイできると。
高級カーシェア需要も高まっているとのことでしたので、そんなもんかと当時は聞いていました。
2年後にはローン残高分の価格で会社が買い取ってくれますので、そこで契約は終了です。
自分名義の車が担保になるから安心ってことか・・・持ち逃げされたらどうするんだろう、とか、シェアした人が事故ったら自分が対応するのか、とか当時は考えてましたね。
⑥ スカイカーシェアのコンプライアンス
法的には、会社が中古車販売してそれをオーナーが会社に貸し付け、その貸付してもらったお礼をするという点では問題なさそうに見えますが、「投資情報」という言葉を文字情報として販売促進資料に入れてる時点でアウトです。

更に言えば、誰が見えない部分や会社が言っている事の担保をしてくれるのか、という点が皆無でした。
・赤字資産で始めた事業が2年で黒字化している。
・毎月の保険料を含めたローンの支払い分を会社が補填する。
・毎月1万円の支払いと売上の5〜10%を支払う(売上が上がらなければ報酬も0円が前提)
・2年後に会社がローン残高分の価格で車を買い取る。
・会社はレンタカーの利益は必要ない。車を売却した時点で利益も売上も上がっているので、その売り上げがあれば、銀行から融資を受けやすくなる。
その融資を受けられれば本業の不動産事業で利益をあげていける。
会社側が上記で言っている事の信憑性を誰が、証明してくれるでしょうか?
公認会計士の先生が入っているなら黒字化した決算書は見ましたか?
毎月1万円と会社が補填しますと言っているお金は本当に2年間払って貰えますか?
会社が買い取ると言っていますが本当に買い取ってくれると誰が保証してくれますか?
規模感の小さい、いつでも夜逃げできそうな会社が車を持ち逃げしない保証がありますか?
本業の不動産事業がうまくいっているかどうかを確認しましたか?
そうなんです。
良い事を言うのは誰でも出来ます。
その話の裏付けや証拠・証明・担保をいかに取ることができるかが重要なのです。
大手監査法人が入っている、強力な法務顧問が何人も入っている、金融庁の目が入っている等の第三者が関わって無い限り、何とでも夢物語は描けるのです。
このカーシェア事業の場合、トヨタの子会社がやっている、とかであれば信頼性は高まりますね。
でもそうでなければ信用出来るものが皆無です。
⑦ スカイカーシェアのメディア露出
メディアというとホームページくらいしか出て来ず、20人弱の営業マンと紹介者の口コミでひっそりと拡大していたみたいです。
●スカイカーシェアまとめ
当時この話を聞いた時、一瞬「良いかも!」と思ってしまいました。
しかし、【詐欺に遭わない為の7項目】に当てはめてみると、以下に総合力が低いかが分かっていただけるかと思います。
根拠の薄い見通しで立てた売上から、会社がお金を補填してくれるなんて危な過ぎます。
百歩譲って、会社として売上が立てられず、この補填が出来なくなるかもしれませんよ、
というのを説明していれば単純に高級な中古車を自分名義で買っただけという事実が残るだけなので良いかもしれません。
しかし、あたかも手出しはしなくてお小遣いが貰えて高級車に乗れるので最高ですよ!
という売り文句にしてしまうのは、許容出来ないリスクを隠して販売している事になるので、大変危険と言えます。
年収400〜500万のサラリーマンが、いきなり月額負担が7万円〜10万円近く増えたらどうでしょうか?
自己破産してもおかしくありません。
実際に10月初旬に株式会社SERIASからの補填ができない旨の連絡がオーナーに入り、今後、自己破産が相次ぐ可能性があります。
2年間で360台が目標と掲げていた分、初期投資された方は2年の補填は受けられているかもしれませんが、後から参入された方は厳しいでしょう。
もっと恐ろしいのは、自分の名義で買った車の行方です。
知り合い曰く、詳細は確認中との事ですが、もしその車も戻って来なかったら300万〜800万のカーローンだけが残る事になります。
日本人のマネーリテラシーが低いと言われるのは、この様な夢物語の案件に飛び付いてしまうからです。
大切な事は、案件の精査の為に汗を流す事です。
どこまで追及できるかです。
それを怠った時、あなたは獲物として捕食される側に回るでしょう。
100%安全な投資は無いですし、自己責任の元、出資をしなければなりません。
今回のスカイカーシェアも計画倒産や詐欺ではなく、
頑張った結果、事業がうまくいかなかったというのが真実かもしれません。
少なからず選ぶ側にも責任はあるという事です。
事業への投資をされる際の参考にしていただければ幸いです。